《九重墨花》同居〜別居へ⑨
同居したら、
孫と犬が戯れる。
そんな時間を
楽しみにしていた。
「アレルギーチェック」の報告を
お嫁さんからは聞かされていない。
もう、このまま
結果を知らされることはないんだろうな……
そう思うくらい、
犬はリビング出禁確定。
私の夢は、
ひとつ消えた。
お嫁さんに
尋ねたらいいのだろうけど、
気分を損ねるようなことは
なるべく避けたい。
いつの間にか私は、
波風の立たない生活を
目指すようになっていた。
孫の成長を楽しみたい。
そう思っていたけど、
「毎日、想ちゃんが
こーした、あーしたって
話さなきゃいけないんですか?」
そう言われちゃ〜、
強気な私でも
めげる。
ここは、
私の住む家ではないのかもしれない。
息子の思いは受け取った。
同居の話は嬉しかった。
同居も始めてみた。
感謝だね。
でも、
違ってた。
お嫁さんの気持ちも
少しはわかる。
子供と3人だけの生活を
夢見るよね。
まだ働ける義母との同居は
早くない?
そう思っても
おかしくない。
子育てのストレスに、
犬の獣臭やら、
犬の抜け毛。

私への気遣い。
いろんなものが重なって、
ストレスを増やしているんだろうなぁー。
そう思った。
私は、
この家から出て行こう。
そのためのお金を
貯めていこう。
そう、決心した。
食事も別。
会話もない。
挨拶すら交わさない。
こんなに虚しいところは
私の住む家ではない。
⑩へつづく

