「この人でいいのかな」と思ったとき、相性より先に見ること ――天相星の女性と貪狼星の男性から考える恋愛
「彼との相性を見てください」
恋愛のご相談で、とても多い質問です。
この人とは結婚できるのか。
一緒になれば幸せになれるのか。
そもそも、私たちは運命の相手なのか。
好きだからこそ、知りたくなるのだと思います。
けれど、相性を見るときに、もう一つ大切なことがあります。
それは、
「その人と一緒にいるときの自分を、あなたは好きでいられますか?」
ということです。
今回、紫微斗数の命盤を読みながら、あらためてそのことを考えさせられるご相談がありました。
女性の命宮には、天相星。
そして、お相手の男性には、貪狼星の性質が強く表れていました。
この組み合わせを、とても簡単に言えば、
「思いやりが深く、相手を支える人」と、「自由と楽しみを大切にし、人を惹きつける魅力の強い人」
という組み合わせです。
だからこそ、強く惹かれ合うことがあります。
けれど同時に、
惹かれる相手と、穏やかに人生を共にできる相手は、必ずしも同じではありません。
恋愛で迷ったとき、本当に見たほうがいいのは、相手の性格だけではないのです。
天相星――相手を思いやり、支えることのできる人
天相星は、ひと言でいえば、
人のために動ける星です。
「犠牲愛の星」と呼ばれることもあります。
自分が何を得られるかより、
「この人のために何ができるだろう」
「みんながうまくいくためには、どうすればいいだろう」
と考えることのできる人です。
困っている人がいれば手を差し伸べる。
周囲を見ながら、自分にできる役割を引き受ける。
誰かに喜んでもらえることそのものに、喜びを感じる。
礼儀を大切にし、人当たりも柔らかく、相手の立場に立って考えることができます。
恋愛でも、その性質はよく表れます。
好きな相手ができれば、
理解しようとする。
支えようとする。
困っていれば助けようとする。
自分が少しくらい譲れば関係がうまくいくなら、と我慢することもできる。
それは、天相星のとても美しいところです。
ただし、この優しさには一つ注意があります。
「人のために尽くせる」という長所が、「自分を後回しにする」という形へ変わることがあるのです。
しかも本人には、我慢しているという自覚さえないことがあります。
「好きだから当然」
「彼はいま大変だから仕方がない」
「私がわかってあげればいい」
そう考えているうちに、自分の気持ちを置き去りにしてしまう。
優しい人ほど、このことには気づきにくいものです。
貪狼星――人生を楽しみ、人を惹きつける力を持つ人
一方、貪狼星をひと言で表すなら、
人生の楽しみや欲望に、とても正直な星です。
人との交流。
食。
お酒。
恋愛。
美しいもの。
楽しいこと。
刺激的な体験。
この世界にあるさまざまな喜びを、豊かに味わおうとする力を持っています。
古い紫微斗数では「悪女の星」と表現されることもありますが、もちろん、貪狼星を持つ人が悪い人という意味ではありません。
むしろ、
自分が何を欲しているのかを、よく知っている人
と考えたほうがわかりやすいでしょう。
常識や形式だけに縛られるより、
「私はどうしたいのか」
「何を楽しみたいのか」
を大切にする。
そして貪狼星には、人を惹きつける独特の魅力があります。
華がある。
話が面白い。
新しい世界を見せてくれる。
どこか色気があり、一緒にいると日常とは違う空気を感じさせる。
だからこそ、惹かれるのです。
頭では、
「この人についていくのは大変かもしれない」
と思っていても、なぜか気になる。
離れがたい。
一緒にいると、自分の知らなかった世界が広がっていく。
天相星の女性が、そんな貪狼星の男性に強く魅力を感じることも、不思議ではありません。
「惹かれる」と「一緒に暮らせる」は、別の話
人は、自分にないものを持つ相手に惹かれることがあります。
天相星が、
「みんなのためには、どうすればいいだろう」
と考えるところで、
貪狼星は、
「私はどうしたいのか」
を大切にする。
どちらが正しいという話ではありません。
人生で大切にしているものが違うのです。
だからこそ、相手が新鮮に見えます。
自分にはない自由さ。
自分にはない大胆さ。
自分にはない欲望への素直さ。
そこに強く惹かれることがあります。
けれど恋愛には、「惹かれる力」だけではなく、
日常を二人でつくっていく力
も必要です。
ときめきは、恋を始める力になります。
けれど結婚生活には、
約束を守ること。
話し合うこと。
生活のリズムを合わせること。
相手の立場を考えること。
お金や仕事、家族や将来について、一緒に考えること。
そうした、とても現実的な力も必要になります。
だから、
「好き」と「一緒に幸せに暮らせる」は、同じ問いではありません。
好きだからこそ、自分を見失ってしまうことがある
天相星の女性は、相手に合わせることができます。
「彼は自由な人だから」
「そういう性格だから仕方がない」
「私が理解してあげればいい」
最初は、それが愛情に感じられるかもしれません。
けれど、それが積み重なっていくとどうなるでしょう。
彼が自由に行動する。
自分は待つ。
彼が自分の楽しみを優先する。
自分は合わせる。
彼の都合で予定が変わる。
自分は受け入れる。
少しくらい不満があっても、
「これくらい我慢しなければ」
と飲み込む。
そうして少しずつ、
「好きだから」という理由で、自分自身を後回しにするようになります。
本人にとっては、愛情なのです。
支えたい。
理解したい。
役に立ちたい。
けれど、
愛情と自己犠牲は同じではありません。
自分を削り続けなければ成立しない関係なら、
たとえ強く惹かれ合っていても、いつか心は疲れてしまいます。
相性より先に、三つだけ確認してみてください
もし今、
「この人でいいのかな」
と思っているなら、
相性の結果を見る前に、まず自分自身に三つだけ問いかけてみてください。
1.その人といるとき、自分らしくいられますか
嫌われないように、本音を飲み込んでいないでしょうか。
本当は嫌なのに、
「大丈夫」
と言っていないでしょうか。
相手に合わせるために、自分の価値観まで曲げていないでしょうか。
恋愛では、
「相手が私を好きか」
ばかりが気になります。
けれど、それと同じくらい大切なのが、
「私は、この人といる自分を好きでいられるか」
ということです。
2.その恋によって、安心が増えていますか
恋愛には、ときめきがあります。
不安になることもあります。
けれど、関係が深まっているのに、
安心より不安のほうが増えているなら、少し立ち止まってみてもいいでしょう。
連絡が来ないだけで、一日中落ち着かない。
相手の言葉を何度も読み返す。
顔色ばかり見る。
嫌われないように無理をする。
恋愛を始める前より、自信を失っている。
そんな状態が続いているなら、
「相性がいいかどうか」よりも、
その恋が、自分の心に何を起こしているのか
を見る必要があります。
3.二人で未来をつくろうとしていますか
いつも自分から連絡する。
いつも自分から会おうとする。
いつも自分が譲る。
いつも自分だけが、関係を良くしようとしている。
それでは、いつか苦しくなります。
恋愛は、一人ではつくれません。
結婚を考えるなら、なおさらです。
必要なのは、
「好きな二人」であることだけではなく、「関係を育てようとする二人」であること。
そこを見てみてください。
相性が良くても、幸せになるとは限らない
占いで、
「二人は相性がいいですよ」
と言われると、安心すると思います。
もちろん、相性を見ることには意味があります。
惹かれ合いやすい。
刺激を与え合う。
深い縁を感じやすい。
そうしたことは、命盤から読み取ることができます。
けれど、
相性は「関係の素材」であって、「幸せな関係そのもの」ではありません。
どれほど良い食材が揃っていても、料理をしなければ一皿の料理にはならないように、
相性が良くても、
相手を尊重しない。
約束を守らない。
話し合わない。
一方だけが我慢する。
それでは、関係は育ちません。
反対に、命盤上では多少ぶつかるところのある二人でも、
違いを理解する。
話し合う。
譲り合う。
相手を尊重する。
そうした積み重ねによって、穏やかな関係を築くことはできます。
だから、
「相性がいいから大丈夫」でもなければ、「相性が悪いから別れたほうがいい」でもありません。
大切なのは、
二人が、その関係をどう育てているか。
そこなのです。
恋愛は、相手を知る以上に「自分を知る鏡」になる
紫微斗数の恋愛鑑定では、
「彼は私をどう思っていますか」
「彼は結婚する気がありますか」
「この人は運命の人ですか」
というご質問をよくいただきます。
もちろん、それも大切です。
けれど、もう一つ見てほしいのは、
あなた自身の恋愛の傾向です。
どんな人に惹かれやすいのか。
恋愛すると、どんな自分になりやすいのか。
相手に尽くしすぎるのか。
安心より刺激を求めやすいのか。
どんな関係の中で我慢しやすいのか。
結婚生活で本当は何を大切にしたいのか。
そして、
どんな相手といるとき、自分らしさが自然に表れるのか。
そうしたことも、命盤から読み解いていくことができます。
今回の天相星の女性にとっても、本当に大切なのは、
「貪狼星の彼との相性」
だけではありません。
彼といることで、自分のどんな部分が表に出ているのか。
そこを見ることです。
人を思いやれる自分なのか。
知らなかった世界へ踏み出せる自分なのか。
それとも、
我慢ばかりしている自分なのか。
自分の気持ちを見失っている自分なのか。
恋愛は、ときに相手を知る以上に、
自分自身を知る鏡
になります。
「運命の人」とは、必ず添い遂げる人なのでしょうか
命盤を見ていると、
「この人とは、出会う意味があったのだろう」
と感じるご縁があります。
けれど、
出会う運命と、添い遂げる運命は同じとは限りません。
ある人との出会いによって、
自分が何を大切にしたいのかわかる。
どこまで我慢してしまう人なのかわかる。
本当に求めていた愛情が何なのかわかる。
そして初めて、
「私は、こういう関係を生きたい」
と気づくことがあります。
その人と結婚することだけが、その出会いの意味ではありません。
その人と出会ったことで、
自分自身を深く知ることができた。
自分の人生で何を大切にしたいのかがわかった。
それもまた、一つの大切なご縁なのだと思います。
この恋で迷っているなら、三つだけ書いてみてください
もし、
「自分の恋愛にも当てはまるかもしれない」
と思ったなら、紙に三つだけ書いてみてください。
一つ目。私は、この恋で何を我慢しているだろう。
本当は嫌なのに受け入れていること。
言いたいのに言えていないこと。
いつも自分だけが負担していること。
小さなことでも構いません。
二つ目。この恋によって、私の安心は増えているだろうか。
恋を始める前より、心は穏やかになったでしょうか。
それとも、不安が増えたでしょうか。
三つ目。この恋の中で、私は自分らしくなっているだろうか。
以前より自由に笑える。
自分を好きになれた。
新しいことに挑戦できるようになった。
そう感じるでしょうか。
それとも、
自信を失った。
遠慮が増えた。
自分の気持ちがわからなくなった。
そう感じるでしょうか。
この三つを見るだけでも、
「彼は私をどう思っているのか」
という問いから少し離れて、
今の恋が、自分に何をもたらしているのか
を見ることができます。
命盤を見ると、「この人と合うか」だけではないことがわかる
紫微斗数の恋愛鑑定で見るのは、
単純な相性だけではありません。
自分はどんな相手に惹かれやすいのか。
恋愛すると、どんな自分が出やすいのか。
どんな関係の中で我慢しやすいのか。
どんな相手となら、安心して自分らしくいられるのか。
そうしたことも、命盤から読み解いていきます。
つまり、
「彼が運命の人なのか」
という答えを外側からもらうためだけではなく、
この恋の中で、自分がどう生きたいのかを整理するために命盤を見る。
そこに、占いを使う大きな意味があると思っています。
こんな人に向いている相談です
- 相性より、自分の気持ちを整理したい方
- 同じような恋愛を繰り返している方
- 今のお相手と結婚するべきか迷っている方
恋愛で迷っているときは、
どうしても、
「彼はどう思っているのか」
「この人は運命の人なのか」
という、相手側の答えを求めたくなります。
けれど、この恋で本当に見直してほしいのは、
自分の我慢。
自分の安心。
そして、自分らしさ。
です。
命盤を見ると、
惹かれやすい相手だけではなく、
その関係の中で、自分がどのように変わっていくのか
も見えてきます。
もし今、
「この人でいいのかな」
と迷っているなら、
まず、
私は、この恋で何を我慢しているのか。
私は、この人といて安心できているのか。
私は、この人といる自分を好きでいられるのか。
そこから見つめてみてください。
「彼は私を愛しているのか」
という問いから、
「私は、この恋をどう生きたいのか」
という問いへ。
答えを相手の中だけに探すのではなく、自分自身へ戻ってくる。
そこから初めて、
誰かに選んでもらう恋愛ではなく、
自分で選ぶ恋愛
が始まるのだと思います。

