転職するべきか迷ったとき、最初に考えてほしい3つのこと ――「向いている仕事」だけでは人生は決まらない
「今の会社を辞めたほうがいいのでしょうか」
「転職したら、今より良くなりますか」
「そもそも、自分にはどんな仕事が向いているのでしょうか」
仕事についてのご相談では、こうした質問をよくいただきます。
今の職場には不満がある。
けれど、辞めて後悔するのも怖い。
転職したところで、また同じことになったらどうしよう。
そんなふうに迷っていると、
「自分に向いている仕事さえわかれば、すべて解決するのではないか」
と思いたくなることがあります。
もちろん、自分の適性を知ることは大切です。
けれど実際には、
向いている仕事に就けば、必ず仕事がうまくいくわけではありません。
ここは、とても大切なところです。
紫微斗数では、その人が持っている資質や才能、力を発揮しやすい分野を見ることができます。
しかし、命盤が示しているのは単なる「職業名」ではありません。
その人が、
どんなふうに考え、
どんな役割で力を発揮し、
どんな環境にいると能力が伸び、
反対に、どんなところでつまずきやすいのか。
そこまで含めて見ていくことが大切です。
今回は、天機星を一つの例にしながら、
転職するべきか迷ったときに、まず考えてほしい3つのことについてお話しします。
天機星――知識を求め、考えることで道を開く星
天機星は、「天の機密」を象徴する星です。
イメージするなら、
この世界の仕組みを知ろうとする求道者。
知識欲が強く、
「なぜ、こうなるのだろう」
「もっと良い方法はないだろうか」
と考えることを好みます。
知恵だけではなく機転にも優れ、状況を見ながら柔軟に対応することが得意です。
自分が先頭に立って、
「私についてきなさい」
と全体を引っ張るというより、
トップを支える参謀役。
相談役。
ご意見番。
企画や作戦を考える人。
そうした立場で力を発揮しやすい星です。
細かいところにもよく気がつきます。
誰かが困っていれば、
「ここをこうすればいいのでは」
「この部分を先に整理しておいたほうがいい」
と、あらゆる角度からフォローすることができます。
複雑な問題を整理し、解決策を考えることも得意です。
天機星にとって、トラブルを解決することは、少しパズルやゲームを解く感覚に近いところがあります。
状況を分析し、
可能性を比較し、
最も合理的な方法を導き出す。
周囲からすれば、
「この人に相談すれば何とかなる」
と思われやすい人でしょう。
そのため、
営業、
教育、
企画、
コンサルティング、
アドバイスをする仕事、
情報を扱う仕事など、
「考える・伝える・組み立てる」ことを求められる分野
と縁が生まれやすくなります。
では、天機星を持つ人がこうした仕事に就けば、すべて順調にいくのでしょうか。
実は、そう単純ではありません。
得意なことが、自分を苦しめることもある
天機星には、もう一つ大きな特徴があります。
考える力が強い。
これは、もちろん才能です。
けれど才能というものは、ときに使いすぎることで弱点にも変わります。
天機星は、
「もっと良い方法があるのではないか」
「このままで本当に大丈夫だろうか」
「失敗する可能性はないだろうか」
と、あらゆる可能性を考えます。
だから準備も丁寧です。
自分磨きも怠りません。
仕事も計画的に進めようとします。
ところが、それが強くなりすぎると、
考えすぎて動けなくなる
ことがあります。
万全の準備が整わなければ始めたくない。
もっと勉強してから。
もっと経験を積んでから。
失敗しない方法が見つかってから。
そう考えているうちに、タイミングを逃してしまう。
あるいは、
話すことが得意なのに、
「もっと上手に説明しなければ」
と考えすぎて、かえって言葉が出てこなくなる。
企画を考えることが得意なのに、
可能性を検討しすぎて案がまとまらなくなる。
営業の素質があるのに、
相手の反応を読みすぎて、自分から踏み込めなくなる。
つまり、
本来の長所が、過剰になることで自分自身を止めてしまうことがあるのです。
これは天機星に限った話ではありません。
人間の才能とは、
持っているだけで自動的に人生を成功へ運んでくれるものではありません。
どんな環境で、
どんな使い方をして、
どの程度発揮するのか。
そこまで含めて初めて、「才能が活きる」ということになります。
だから転職を考えるときも、
「私には何が向いていますか」
だけでは足りません。
ここからが、本当に大切なところです。
1.まず「何が嫌なのか」を具体的にする
「会社を辞めたい」
と思ったとき、最初に考えてほしいのは、
何が嫌なのか
ということです。
人間関係でしょうか。
給与でしょうか。
評価されないことでしょうか。
仕事そのものが合わないのでしょうか。
会社の価値観でしょうか。
将来が見えないのでしょうか。
それとも、
「本当はもっと違うことがしたい」
という気持ちでしょうか。
これらは、すべて違う問題です。
たとえば、
仕事内容そのものは嫌いではない。
けれど上司との関係だけが苦しい。
それなら、転職ではなく異動によって解決する可能性があります。
仕事が嫌なのではなく、ずっと疲れ切っている。
それなら、転職活動より先に休息が必要かもしれません。
反対に、
仕事内容にも、
人間関係にも、
会社の価値観にも、
長い間ずっと違和感を感じている。
それなら、環境そのものを変える時期なのかもしれません。
だから、
「辞めたい」
という感情が出てきたときには、
すぐに、
「では転職しよう」
と考えるのではなく、
「私は、この職場の何に苦しんでいるのだろう」
と問い直してみることです。
そしてもう一つ、
「その問題は、本当に転職しなければ解決できないのか」
も考えてみてください。
転職とは、問題から逃げるためだけのものではありません。
何を変える必要があるのかを見極めることから始まります。
2.「何が向いているか」より、「どう働きたいか」を考える
次に考えてほしいのは、
これから、どんなふうに働きたいのか。
ということです。
転職を考えていると、
どうしても、
「今の会社を辞めたい」
というところに意識が集中します。
けれど、出口だけを見て転職すると、
次の職場でも似た問題に出会うことがあります。
だからこそ必要なのは、
次に、どんな人生をつくりたいのか
という視点です。
収入を上げたい。
安定して働きたい。
もっと自由な時間が欲しい。
人と関わる仕事がしたい。
専門性を深めたい。
自分のアイデアを形にしたい。
誰かを支える仕事がしたい。
将来は独立したい。
人によって、仕事に求めるものは違います。
ここで先ほどの天機星を考えてみましょう。
天機星には、
考える。
伝える。
企画する。
問題を整理する。
人を支える。
という資質があります。
それなら、
「営業が向いている」
「教育関係が向いている」
と職業名だけを出すこともできます。
けれど、本当に重要なのはその先です。
たとえば同じ営業でも、
数字だけを追い続ける営業と、
お客様の悩みを聞きながら提案する営業では、
求められる能力が違います。
同じ教育でも、
決められたことを教える仕事と、
相手の状況を読みながら個別に指導する仕事では、
働き方が違います。
だから、
適職とは、職業名ではなく、自分の性質が自然に使える働き方
と考えたほうがよいのです。
紫微斗数で見る適職も、本来はそこまで含めて考えるものです。
自分は何が得意なのか。
どんな役割なら無理なく力を出せるのか。
どんな組織との距離感が合うのか。
前に立って引っ張るほうがいいのか。
誰かを支える参謀役がいいのか。
一つの仕事を深く掘るほうがいいのか。
さまざまな人や情報に触れるほうがいいのか。
どんな環境では才能が伸び、
どんな環境では、その才能が空回りしてしまうのか。
そこまで見ていくことで、
単なる「職業探し」から、
自分らしい働き方探し
へと視点が変わっていきます。
3.「辞めるかどうか」ではなく、「今は何をする時期か」を考える
そして最後に考えたいのが、
タイミングです。
転職を考えたからといって、
今すぐ辞表を出す必要はありません。
むしろ、
転職活動を始める。
資格を取る。
必要な勉強をする。
副業を始める。
貯金をする。
社内異動を検討する。
転職市場の情報を集める。
半年後、一年後を目標に準備する。
選択肢はいくつもあります。
転職について悩んでいると、
「辞める」
か、
「残る」
か。
その二択だけで考えてしまいがちです。
けれど人生は、本当はそれほど単純ではありません。
今は動く時期なのか。
今は準備する時期なのか。
もう少し経験を積む時期なのか。
あるいは、
これまでの働き方そのものを見直す時期なのか。
そこを見ることも大切です。
たとえば、
今月は、自分が何をしたいのか整理する。
来月は、求人を見たり人に話を聞いたりして情報収集する。
その次の数か月で資格取得や貯金など必要な準備を進める。
半年後を一つの目安として、実際に転職活動を始める。
そんなふうに、
「転職するかどうか」
という大きな決断を、
小さな行動と時間の流れに分けて考える
こともできます。
特に、慎重に考える傾向の強い人にとっては、
「今すぐ決めなければならない」
と思うほど、不安が大きくなります。
反対に、
今は何をする。
次は何をする。
その先で判断する。
という段取りが見えてくると、安心して動けるようになります。
占いでいう「転機」も、
「この月に必ず会社を辞めなさい」
というものではありません。
むしろ、
人生の流れが変わりやすい時期に向けて、いつ、何を整えていくのか。
を見るために使うことができます。
未来を当てるためではなく、
未来に備えるために見る。
「転機」を一つの日付として捉えるのではなく、
その時期へ向かうプロセスとして見る。
そのほうが、占いを現実の人生に活かしやすくなります。
「向いているのにうまくいかない」は、珍しいことではない
ここまで読むと、
一つ見えてくることがあります。
それは、
向いている仕事と、うまくいく仕事は必ずしも同じではない
ということです。
天機星の人が、
営業や教育、企画に向いているとしても、
考えすぎて動けなくなれば、本来の力が出せません。
人を支える力があっても、
何でも引き受けすぎれば疲れてしまいます。
頭の回転が速くても、
細かく考えることを必要としていない職場なら、
「考えすぎる人」
と評価されてしまうこともあります。
反対に、
その細やかさを必要としてくれる職場に出会えば、
非常に頼りになる存在になります。
つまり、
才能だけではなく、その才能を必要としてくれる環境との相性も大切なのです。
同じ人でも、
場所が変われば評価は変わります。
役割が変われば、能力の見え方も変わります。
だからこそ、
「私は仕事ができない」
「自分には能力がない」
と決めつける前に、
もしかすると、
今いる場所と、自分の性質が噛み合っていないだけではないか
と考えてみてほしいのです。
占いで見るのは「転職するべきか」という答えだけではない
転職のご相談では、
「辞めたほうがいいですか」
という質問をいただくことがあります。
もちろん、今後の流れを見ることはできます。
けれど、それだけでは少しもったいないと思っています。
紫微斗数の命盤からは、
自分では当たり前すぎて気づいていない才能。
仕事で自然に担いやすい役割。
力を発揮しやすい環境。
人間関係で起こりやすいパターン。
仕事でつまずきやすい思考や行動の癖。
そして人生の流れが変化しやすい時期。
そうしたものを見ることができます。
たとえば、
「仕事内容そのものが合っていないのか」
「仕事は合っているけれど、上司との関係で消耗しているのか」
「今の会社ではなく、もっと裁量のある環境が合っているのか」
「転職より先に、異動を検討したほうがよいのか」
「今すぐ動くより、半年ほど準備期間を取ったほうがよいのか」
こうしたことを整理していくことができます。
大切なのは、
占いに人生を決めてもらうことではありません。
占いによって、
自分を理解する。
今いる場所を整理する。
選択肢を増やす。
動く時期と準備する時期を考える。
そして最後は、
自分自身で選ぶ。
そのために使うものだと思っています。
転職で本当に変えたいものは何ですか
もし今、
「会社を辞めようか」
と迷っているなら、
いきなり答えを出さなくてもかまいません。
まず、三つだけ考えてみてください。
私は、今の仕事の何がつらいのだろう。
私は、これからどんなふうに働きたいのだろう。
そして今は、辞める時期なのか、それとも準備する時期なのだろうか。
この三つを整理するだけでも、
「転職するべきか」
という漠然とした迷いが、
少しずつ具体的な選択肢へ変わっていきます。
転職で本当に大切なのは、
会社を変えることそのものではありません。
自分の働き方の軸を取り戻すことです。
場所を変えても、
自分自身のことがわからないままなら、
同じ悩みを繰り返すことがあります。
反対に、
自分の資質を知り、
自分が仕事に何を求め、
どんな場所で力を発揮できるのかがわかってくると、
転職は単なる「今の会社からの脱出」ではなくなります。
これからの人生を、自分で選び直す機会になるのです。
こんな方に向いているご相談です
たとえば、こんなことで迷っている方です。
- 上司との相性がつらく、会社を辞めるべきか迷っている方
- 仕事内容そのものは嫌いではないのに、なぜか毎日消耗している方
- 転職するか、今の会社に残るか、異動を希望するか迷っている方
- 自分に向いている仕事や、自分の才能が活かせる職場を知りたい方
- 転職するなら、いつ頃から準備を始めればよいのか知りたい方
- 独立や副業も含めて、これからの働き方そのものを見直したい方
「仕事が嫌だから転職したい」
と思っていたけれど、
よく見てみたら問題は上司との関係だった。
反対に、
「もう少し我慢すればいい」
と思っていたけれど、
命盤を見ながら整理してみると、
そもそも今の環境では自分の持ち味を発揮しにくかった。
そんなこともあります。
ほしよみ堂浅草店では、
「転職したほうがいい」
「今の会社に残ったほうがいい」
という結論だけを見るのではなく、
命盤からその方の資質や仕事の傾向を読みながら、
何につまずいているのか。
どんな仕事・役割・環境なら力を発揮しやすいのか。
転職、異動、独立、副業など、どのような選択肢が考えられるのか。
そして、いつ頃から何を準備していけばよいのか。
そこまで一緒に整理していきます。
転職に迷っているとき、
必要なのは、必ずしもすぐに会社を辞める勇気ではありません。
ときには、
「私は本当は何を変えたいのだろう」
と、自分の現在地を正確に知ることのほうが先です。
自分の才能を知ること。
今いる場所とのズレを知ること。
そして、次の一歩と、その一歩を踏み出す時期を知ること。
答えを急ぐ前に、
一度、自分自身の働き方を見つめ直してみてください。

